Artist/
Potter

Motohara
Reico

Artist/Potter

Motohara Reico

workshop

2011〜

ズッキィニ(防災ずきんを届けるプロジェクト)

東日本大震災後の2011年3月19日。NHKニュースで、子供ボランティアが活躍する避難所・多賀城市文化センターが紹介された。ご飯の配給を待つ列の最後に、小学1年くらいの男子が神妙な顔で「ここが最後尾です」という看板を持っていた。このくらいの年の子はふざけちゃいけないと思ってる、この子を笑わせたいと思った。

地震の多い静岡県の学校は、教室で避難用の防災ずきんを座布団がわりに使っている。これに目や鼻がついたら可愛いし、避難所で枕や防寒具、ぬいぐるみの代わりになる。静岡デザイン専門学校の学生有志とその父兄らと60個の防災頭巾にひよこや電車、いちごのオリジナルデザインのアップリケをして、2011年4月16日、680人ほどが暮らす多賀城市文化センターへ届けた。

その後、障がいのある子供が通う幼稚園でこの防災頭巾を使いたいとの連絡があり、2011年7月7日に届けた。この時はアップリケのパーツだけを作り、園児のお母さんたちと縫い付けをした。驚いたことに、電車の頭巾を被った子は車両をつなげるように電車の列に並び、ひよこたちはピヨピヨと言いながら、ひよこの列に並んだ。言葉が苦手な子どもたちにとって、色と形は訴求力があった。

A “Bousai Zukin” is usually used as a cushion on a school chair. But it can be immediately used in an emergency, such as an earthquake, to protect one’s head from falling objects. My design school students and I designed chick, strawberry & train versions of the “bousai zukin”. It can be used as a pillow, cushion, stuffed animal or winter cap while you are evacuating. We made 60 and delivered them to the 680 evacuees at the Tagajo City Cultural Center on April 16, 2011.

Later we sent more to a kindergarten for children with autism at their request. Surprisingly, the children in the train hood lined up to connect the cars, and the children with the chick hoods were lined up together. During the evacuation drill, the design of colors and shapes appealed to the children who have difficulty with words.
関連サイト

ひよこの防災頭巾をかぶって喋る子供達を見てお母さんたちは、爆笑。電車の頭巾をかぶると、タバコを吸うマネをする男の子は、機関車トーマスになったつもりだ。

Mothers burst into laughter when they saw the children wearing BOUSAI ZUKIN and talking like chicks. A boy pretended to make smoke when he wore the train Zukin and said, “I am Thomas!”.

ズッキィニ
本原玲子、竹下英里、保科明日香、栗山菜帆、太田理沙、荒川みゆき、堀井香代、岡本歩美、塚田雄太、佐伯尚久、芦澤沙保里、綾部萌、大石千尋、吉平彩見、森由佳さんと息子さん

*ズッキィニは美術家・本原玲子と静岡のデザイン専門学校と常葉大学造形学部の有志によるデザインプロジェクトです。
*防災頭巾は、ファシル株式会社さんにご提供いただきました。