Artist/
Potter

Motohara
Reico

Artist/Potter

Motohara Reico

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月刊社会教育にインタビューが掲載されました。

月刊社会教育9月号に、インタビュー記事が掲載されました。
特集「安心な食の未来図」
<インタビュー>本原令子さんに聞く(3〜9ページ)
2000年前の暮らしと、今、そしてこれからー
生きること・食べることの「手間と時間」
聞き手・飯塚哲子

Kitchen Storiesが刊行されました。

港まちづくり協議会(名古屋市)が、2016年より続けてきた「み(ん)なとまちをつくるアーカイブプロジェクト」の一環として、2021年度に本原令子と一緒に港まちの8つのお宅へ伺い、そのウチの定番料理などを教わって、一緒につくったり、食べたり。そうして生まれた「おしゃべり」を記録して本にまとめるアクションリサーチを行いました。プロジェクトの詳細はこちら  

【内容】
①台所でおしゃべり
名古屋の港まちで、本原さんと港まちづくり協議会スタッフが8組の台所を訪ねて、定番料理を教わりながら、共に食べ、話した会話録と写真記録(A2サイズ×8組)。
②陶芸家の傾き
プロジェクト後に、本原さんがまとめた9編のエッセイ(B5判80ページ)。
③台所でおしゃべり、そのまえに…あるいはそのあとに。
本プロジェクトを企画し、本原さんと並走した港まちづくり協議会(古橋敬一・児玉美香)による「Kitchen Stories」の副読本(A5判16ページ)。港まちにおけるまちづくりとは?といった前提となる話も収録。


記録集『 Kitchen Stories|キッチン・ストーリー』
制作:本原 令子
企画:古橋 敬一、児玉 美香(港まちづくり協議会)
編集:竹内 厚(Re:S)
写真撮影:村上 将城
デザイン:小島 邦康(Artical inc.)
発行日:2022年3月
発行:港まちづくり協議会

「登呂で、わたしは考えた」

静岡新聞出版社
2018年10月発行


本原が、2013年から5年間に渡って続けてきた静岡市の登呂遺跡を舞台にしたアートプロジェクト「ARTORO(アートロ)」の活動を記録したエッセイ。 弥生時代の遺跡を舞台に行われている前代未聞のこのプロジェクトは「土があれば何でもできる」をテーマに、「登呂遺跡の土で土器を作り、田んぼを作り、米を収穫してみんなで食べる」という、2000年前の暮らしを再現する試み。弥生時代の土器の焼き方を考察し、土の成り立ちや水の行方に注目、稲作の始まりが人間の社会を大きく変えたことを実践の中で解いていく。登呂遺跡に暮らした弥生人を想像することで、現代に生きる私たちの社会の在り方が次第にあぶりだされていく。 「一緒に考え、やってみる」という著者に共鳴し、一緒に考えてくれるのは、アートロに参加したさまざまな老若男女をはじめ、博物館の学芸員、建築の専門家、米の専門家、農業経済学者など、実に多様な人々だ。壮大な実験の中で、生きることについて、暮らすことについて、現代の「効率と便利」の対極にある「時間と手間」を惜しまずに考えた好著。京都大学人文科学研究所准教授で著述家の藤原辰史氏(『ナチスのキッチン』)を迎えた対談なども収録。

書評
「土」は、食べ物を育むと同時に、そこから食べ物を入れる器を作ることができ、保存や煮炊きを可能にする。登呂遺跡で「土」をこね、実際に体を動かし、陶芸家は弥生人に想いを馳せ、いまの暮らしを再考した。実感とアートと思考が混ざり合う。(Title店主)

ところで日本人は、あたりまえの話だが、字を知る前から日本にいた。本原令子『登呂で、わたしは考えた。』は静岡市の登呂遺跡という、かつて弥生時代の人々が農耕生活をいとなんでいた「現場」を舞台に、陶芸家である著者がみずから土器づくりや稲づくりを実践した記録。遺跡から出土した土器の破片にわざわざ砂をねりこんだものがあるのはなぜか、というような重要な疑問をあっさり「手で」解くあたりが真骨頂だ。(好書好日/直木賞作家 門井慶喜)

amazon
https://www.amazon.co.jp/dp/4783810885

ARTOROサイト
http://artoro.jp/

本原のnoteへ

美術手帖 2017年10月号(VOL.69 NO.1060)

特集「新しい食」ー未来をつくる、フード・スタディーズ
アーティストたちは、食事の習慣や食量生産、咀嚼する行為など、食にまつわる様々な営みを切り口にを何を思考し、表現してきたのか。「食」につながる作品を多様な面から発表する、国内外の11の作家・プロジェクトとして紹介される。

–抜粋

人間の様式を解体し再構築する実験好きな芸術家である。弥生式土器を自分で作成する過程で、砂が混じっている理由と、口がくびれている理由を突き止める。登呂遺跡で栽培した米を、遺跡の土で焼いた土器で炊く。今は、登呂遺跡の居住空間を実際にかまどを使い、寝ていた生活者の視点から設計し直そうと画策している。本原の思考も地をこねるように地べたから生まれる。彼女の企みは、考古学者や歴史学者にも何かが成り立つ間際のざわめきを伝えてくれる。人間は上水道と下水道の間にある、と言うコンセプトで下水管が通っている道路を、キッチンシンクを背負って歩くパフォーマンスもその一つ。人間存在の様式をいったん解体し、組み立てなおす本原の実験から目を離せない。(藤原辰史)

「うっちーの英語食堂」

SBSテレビ(静岡放送)
2016年3月-2017年10月
出演:本原令子(美術家) 内山絵里加(SBSアナウンサー)
月~金 夕方4時45分から放送中の「イブアイしずおか」内、毎週金曜日に放送。
簡単レシピで料理をしながら、楽しくおいしく英語を学ぶ、画期的な料理コーナー。本原がイギリス留学中、いちばん英語を覚えたのがキッチン。2011年1月からtwitterで呼びかけ、自宅で始めた英語食堂の拡大版。本原がデザインした、自宅のキッチンで撮影され、オリジナルレシピのほか、母や祖母、いろいろな国の友人に教わった料理も紹介。料理は一回性の複製芸術!みんな、ゴハン作って。

GYAO!
http://gyao.yahoo.co.jp/p/11094/v00002/
Youtube
https://www.youtube.com/playlist?list=PLZixNE0jNYgmwOsq5PBfhxOwgws9Y2Aeq

「Don’t think. Just Do it.」

冊子/全32ページ/A4サイズ/2013年2月発行
1,600円(税込)

2011年、オランダにあるekwc(ヨーロピアンセラミックワークセンター)でのレジデンス体験を記録した。
artist in residenceという言葉は近年よく聞かれるが、それがどんなものなのか案外、作家や美術大学生も知らない。ekwcは陶芸に特化した研修センターで、開設当時のアイデアはプロの陶芸家がスキルアップのために滞在制作をするところだった。今はあらゆる分野のアーティストにひらかれていて、ジュエリー作家やペインターでも、応募できる。毎晩、夕食を全員一緒に食べるのがルール。そこで覚えたレシピも載せました。すばらしい施設と惜しみなく、技術を教えてくれるスタッフに、24時間アクセス可能なスタジオでモリモリ働ける。2011年8月末にオランダへ着いたとき、私は2010年に提出したプロポーザルを3ヶ月でやらなければ、というプレッシャーと、震災前に提出したそのプロジェクトに気持ちが添わず、途方に暮れた。でも、そこでしかできないことがあった。私にとってレジデンスは、3ヶ月で何かを仕上げるというより、たくさんの種を拾い集めて、自分の仕事場に持ち帰って育てるようなものだった。準備~コストも含め、すべて書きました。これからレジデンスに行ってみたい方、またはそんなことをわが町や団体でやってみたい方にぜひ、読んでほしい。


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詩が曲になりました。

チェリスト溝口肇さんのアルバム『Angel』(2001年5月リリース)の中で、私の詩が曲になりました。

*写真はアルバム「Angel」から使わせていただきました。

Recipe for a happiest day of life
a spoonful of kindness
2 cups of love Alternatively stupidity
a bit of a hesitation
no reason
mix them up gently till it’s doubled as much.

Recipe for a surprising day
a couple of astronomers and a potter
a Macintosh computer
a cat (black or grey-ish)
a pot of papyrus plants stick them into a cozy cottage, possibly in Surrey, and leave them until it glows.

<一番しあわせな一日のためのレシピ>
優しさ・・スプーン1杯
愛・・カップ2杯(なければ、馬鹿げたこと)
ためらい・・少々
理由・・なし
これらが2倍になるまで全部いっしょにかきまぜましょう。

<おどろきの一日のためのレシピ>
天文学者と陶芸家・・1組
Macintosh computer ・・1台
猫・・1匹(黒かグレー)
パピルス・・1鉢
これらを気持ちのいいコテージ(できればサリーあたりの)に押し込んで、育つまで放っておきましょう。
*原文で、サーファーと彫刻家でした。(当時、サーファーの音楽家に恋をしていたので)

【エピソード】
イギリスから帰国してすぐの1992年、友人へ宛てた年賀状にRecipe for a surprising day とrecipe for a happiest day of life と言う2つの詩を書いた…ことすら忘れていた。8年後、ロンドンへレコーディングに来ていたチェリストの溝口肇氏が友人のリビングに飾られていた年賀状を見て使いたいとの連絡がきた。8年前の自分からプレゼントをもらって、そんな自分が居たことが照れくさく、いとおしい出来事。